5: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/17(土) 01:26:58.11 ID:rlBAIpqg0
少女「……」
とりあえず引っ掴んで、カバンに押し込みます。もがもが言っているのを見て見ぬふりして、知らんぷりをして、そのまま私は帰路を走りました。全速力。
もし家に帰ってもあのぬいぐるみがいて、喋るのであれば、これは現実です。ぬいぐるみが喋らないのであれば、耳鼻科に行きましょう。ぬいぐるみがそもそもなければ、精神科です。
家に帰ってお母さんの追求も上の空でかわし、足早に自室へと滑り込みます。ドアを閉め、鍵も閉め、セーラー服のままカバンごとベッドの中にダイブ。かけ布団の中で携帯電話の明りを頼りにぬいぐるみを引っ張り出しました。
首根っこを掴んだそれは確かにぬいぐるみでした。大きさは三十センチに満たないくらい。肌触りは独特で、なめらかです。くたっとしていて喋る様子はありません。
その状態のまま、待つこと暫し。二十秒たってもぬいぐるみは動かず喋らないので、私はついに耳鼻科の受診を決意しました。精神科はそのあとでいいでしょう。
ベッドから飛び起き、ぬいぐるみを壁に投げ捨てました。ふぎゃ、と声がして、地面に落下します。
……ふぎゃ?
ぬいぐるみは、やはり浮かび上がって、首のあたりを押さえながら私の眼前へと向かってきました。
「き、きみは、ボクをなんだと思っているんだい!」
ぬいぐるみに怒られました。意味が分かりません。ぬいぐるみはぬいぐるみであり、ぬいぐるみ以外の何物でもないのです。
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