過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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66: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:28:40.53 ID:kxAWoUKR0

 一際大きく声を上げて金髪は突っ込んでいく。なぜだか左腕は再生していた。先ほどの行い、カニバリズムが無関係だとは思えない。きっとそういう能力なのだろう。

黒マント「ふむ。随分と悪趣味なことよ」

 だいぶ落ち着いてきた。平常心、平常心。口調もほら、元通りだ。

??「実にその通りだと思うけど」

 炸裂音。

 空気を震わせる乾いた音が響いて、僅かな遅れもなく、私の右手の薬指と小指が跡形もなく吹き飛んだ。
 痛みはない。代わりにただ焼ける感覚だけがあった。

黒マント「――――ッ!?」

 そして今更やってきた激痛が、が、うぁ、んんんんんっ!

 歯を必死に喰いしばっても隙間から空気が、声が、漏れていく。涙も目じりに溜まる。痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

黒マント「ぐ、ぅううう、が、あぎ、っ!」

 バランスを崩してレンガから足を踏み外した。
 やばい。

黒マント「『黒光纏いて優雅に踊れ』ゥウウウウ!」

 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!
 幸い下にはポリバケツやらごみ袋やらがある! 金髪と詰襟に見つかっちゃうのはしょうがないけど、それで、なんとか!

 衝撃が体を襲った。臭気が鼻を衝いて思わず顔を顰める。腐った汁がマントやらブレザーやらに染み込んで、泣きたくなる。
 指の先は吹き飛ばされたはずなのにじんじん痛んで私を苛んだ。でも今の私にはいい気付けだ。ぽかんとしている金髪と詰襟を尻目に、私はマントの裾を引き裂いて、腕をきつく縛っておく。



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