68: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:30:35.43 ID:kxAWoUKR0
黒マント「ちょっと、酷使しすぎた、かな」
この頭痛が敵の攻撃だとは思えなかった。
とりあえずここでしばらく休もう。そうしたら家へ帰るしかない。閉じこもるのは趣味ではないし、負けた気がして癪だが、相手の姿がわからない以上打って出るのは愚策だろう。
漫画とかラノベだったら、もっと軽々追っ手を撒いて、逆に敵の背後をとったりもできるんだろう。憧れていたその世界に入門こそしたけれど、境地には遠い。
二次元の世界はいい。憂世を忘れさせてくれる。嫌な親、教師、クラスメイト。あんな邪悪な存在は物語の世界には存在しない。
これはきっと可哀そうな私へ神様がくれたプレゼントなのだ。そして、優秀な私は全人類を統べる権利があるというメッセージで。
包丁を確認する。どさくさの中でもちゃんと持ってきていた。偉いぞ私、と自分を鼓舞する。
その数四本。少し心許ないが、まぁしょうがない。能力で持ち運ぶのにも限界がある。
黒マント「そろそろ、限界、かな」
指が二本消えてしまったことのショック、そして体のバランスの喪失は著しい。ぐちゃぐちゃになった肉と骨が付け根にぶら下がっていて、正直見ていられないくらいだ。
痛い、痛い、痛い。気を抜いたらまた涙が出てくる。深く呼吸をして、落ち着けなければ。
カラーコンタクトを外す。ずれてしまって視界がおかしい。折角ネット通販で買ったブレザーも、マントも、ごみのにおいがついてしまった。洗ってとれるだろうか。
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