72: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:33:08.67 ID:kxAWoUKR0
銃撃は、最初は指、次に肩、最後に耳を狙った。それを必然だと片付けるつもりはない。狙うなら当然頭だ。つまり、自然に考えるならば、敵は銃撃自体には慣れていないのだろう。
けれど次は。思考する。段々と狙いはあってきている。耳の次が眉間でない保証はどこにもない。勿論私が動いていればその限りじゃないんだろうけど。
ビルに突入した。テナントが小さなデザイン事務所一件しか入っていない、殆ど廃ビルみたいなものだった。警備員やら利用者にも殆ど出合わず、敵を捜索する。
物陰は少ない。天井も低いし。そもそもフロア面積が小さい。銃撃の心配が少ないのはありがたかった。
黒マント「逃げられたか?」
だとしたらどこへ。屋上から去るのより、私がビルに突入するほうが圧倒的に早かったはずだ。入り口以外に出入りできるところは……、
非常口!
緑色のランプが点灯している鉄扉、それを開けるのさえ億劫で、私は『黒光纏いて優雅に踊れ』を使ってぶっ飛ばす。外には赤錆びの浮いた鉄階段があった。上の階を見れば鉄扉が開いたままになっている。
下には? ――人影がない。
黒マント「逃げられた! くそ!」
いや、逃げられたと言ってしまうのは語弊がある。相手はこちらを依然として窺っているかもしれないのだ。まだ安心はできない。
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