73: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:33:41.10 ID:kxAWoUKR0
炸裂音――火花――階段の手すりが爆ぜる。
ほら! やっぱりまだ逃げていなかった!
黒マント「どこだ!」
また屋上か!?
蓋に飛び乗ってそのまま空中へ。殆ど垂直に地面へ落下し、私は人ごみに紛れるべく、大通りへと走っていく。
私の怪我と臭いにすれ違う人が顔を顰め、怪訝な表情を作っていくが、そんなことはお構いなしだ。どうせ肉壁なのだから。
それにしても、経験から言って、歩みを止めるのは愚行以外の何物でもないと思った。敵は隙あらばこちらを射殺しようとしてくる。このあたりの地理を熟知しているのか、器用に隠れ、逃げながら。
何も準備の無い私は不利だ。
それでも、私は負けない。ブリュンヒルデ・ノワールの名にかけて。
とにかく、このまま人ごみに紛れて地下へと入ろう。高低差がないだけでもだいぶ気にする箇所は減る。にらみ合いになるのかもしれないけど、その時はこちらが逃げればいい。機動力は私の方が絶対に上なんだから。
と、スマートフォンが鳴った。警戒を絶やさないように意識しながら応答する。
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