92: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/11(水) 22:22:46.64 ID:vaqxWu9A0
会計「実績がありませんから。以上です」
一刀両断だった。快刀乱麻だった。まさにすっぱりと、一秒の思考の時間すらなく、会計は主将を睨みつける……いや、単に一瞥しただけかも。
主将は一瞬だけ激昂の様子を見せたが、流石に自制した。大きく深呼吸をして、尋ねる。
野球部「それだけか?」
会計「それだけです」
すっぱり。ばっさり。
野球部「そんな理由で――!」
会長「『時は金なり』」
ついに主将が激昂しようとしたその時、ぼそりと会長が呟いた。
会長「会計はきみたちの実績を理由に予算を減額の提案を出した。そして、生徒会も先生たちも、それを承認した。わかるかい、キャプテン、この意味が」
野球部「にしても、一方的過ぎる」
会長「そういうことじゃないんだ。そういうことじゃないんだよ」
まるで子供に言い聞かせるような生徒会長。
会長「スポーツと言うのはそういうものだろう? だから、『そういうことじゃあ』ないだろう?」
会長「きみたちは実績を出しさえすればいい。そうすれば、減額は今年いっぱいでおしまいだ」
いやな空気が流れる。ただし、その空気は部長側にのみ蔓延していて、あちらとこちらでは大きな距離の隔たりが――断絶が存在しているように感じられた。
これは予算のやり取りじゃないのだとあたしは今更ながらに気が付く。パフォーマンスだ。生徒会に、今更予算を変更するつもりなんてない。あたしらの意見を聞き入れるつもりなんて、はなからありゃしない。
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