過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6
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◆EBFgUqOyPQ
[sage saga]
2013/09/19(木) 16:16:13.46 ID:tVuPxCeEo
アーニャにとっては、今考えてみれば部隊にいたころでは数少ない自身についての情報である。
ただしそれは誰かに祝われるものではなく、ただ生きた年月を刻む指標となっていた。
だから彼女は、誕生日は祝うものだとは教えられてもいないし、誕生日に特に思い入れなどないのだ。
自宅である女子寮へと向かう途中、シンプルな電子音が響き渡る。
それはアーニャのポケットから発せられていた。
アーニャはその場で立ち止まりポケットに手を入れてその中にある物を取り出す。
それは特に凝った機能のない料金安めの携帯電話であり、それから初期設定であろう呼び出し音が響いていた。
少し前に携帯電話を連絡用にとプロダクションから渡されていたのだ。
「……もしもし、アナスタシアです」
アーニャは通話ボタンを押して電話を耳に押し当てる。
「もしもし、アーニャか?今大丈夫か?」
スピーカーから聞こえてきたのはピィの声だった。
「ダー、今帰ろうと思ったところですが、どうかしましたか?」
「すこし連絡したいことがあってな。直接伝えないといけないことだから今からプロダクションの方に来れないか?」
「ええ、わかりました。……じゃあ今から向かいますね」
「すまないな、急に呼び出して。じゃあまたあとで」
その声を最後に電話は切れる。
アーニャは電話を仕舞って帰路ではなく、今度はプロダクションへ向かって歩き出した。
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