過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6
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924: ◆zvY2y1UzWw[sage]
2013/09/21(土) 00:52:56.48 ID:xgZRq9330
黒い影が、少女の姿を追いかける。

少女はただひたすら逃げるだけ。得体の知れないその影を恐れて逃げている。

「こっち来るなって言ってるのに…!」

幾度も死んだ生命体から漂う、死の…臭いのようなものを感じているのだろう、影は魂を取り込もうとしている。

『ソコノ君、ソウ、君ダヨ君!』『死という真実へたどり着こう…』

「う…うう…」

例え死にたいと思っていても、自ら苦しい死に方を選ぶ者はいないだろう。どす黒いそれが吐き出す声に吐き気がする。

「…仁加ちゃん、大丈夫?疲れてない?」

腕の中の小さな加蓮が心配している。

「うん、大丈夫―…!」

「…無茶はしないでね?」

普通子供がこれほど走れば息切れするだろうが、残念ながら加蓮には普通の子供の体力がどれほどの物か知らなかった。

血を巡らせ、肉体に変えた泥を活性化させ、それで息切れすることなく逃げ切っているのだ。

路地裏を何度も通り、影をなんとか撒こうとしてはいるが、見失っただけでどこから来るかわからないとも言える。

そして路地裏を抜けると、視界に広がるのは真っ白な世界だった。


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