28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/17(土) 20:21:04.00 ID:aImctMrhO
私は目の前で人形になった店主に冷たい硬貨を渡した。人形でごった返す無機質な酒場を離れる。
友達を失った。ほっときゃクリスタは死ぬだろう。
探す手だてもないときてる。
そうなるといよいよ八方塞がりだ。
友達を失った。クリスタは一人で死んでいくのだろう。
あいつはどんな死に方を選ぶのだろう。
風が涙に濡れた頬に当たる。風は私の頬から血の気を吸い取ってなお吹き付ける。
痛い。
店を出て鼻をすすって辺りを見渡す。
すると店の看板の下でトランクに腰掛けたクリスタがいた。
またメソメソグズってる。
私をぶってなんか言うからそりゃぶったさ。
なんでか分からないけど。
多分こんなこと言われてなくてもぶってた。私があんなことをした後でもだ。
クリスタ「ごめんねユミルごめんね」
冷たい風に焼かれて真っ赤な顔をして泣きわめくクリスタに怒鳴りつける。
「馬鹿野郎!ふざけやがって!ふざけやがって!」
泣きじゃくるクリスタを私は二回ぶった。かわいそうにな。
クリスタ「痛いよ…………ごめんねユミルあんなこと言って心配させて。ほんとにごめんね」
私はこいつをもう一度だけぶった。
クリスタはビイビイ泣き始めた。
「いいかクリスタ。お前が私をどう思ってようと知ったこっちゃないがな、今度また死にたいなんて言ってみろ!私がぶん殴ってやる!」
クリスタは泣くばっかりだ。
「もう、心配させるなよな」
私は膝を折って泣いているクリスタの目の高さぐらいまで崩れ落ちた。
クリスタ「死にたくないよ!…………さびしいよ!………でもどうやって生きて行けのいいか分からない……私どうすれば…」
本当によかった。もう一度会えた。
クリスタを抱いていると自然に泣けた。
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