過去ログ - 席替えは時として、突然に新たな道を作る。
1- 20
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/25(日) 23:17:43.70 ID:6C841I8E0
「は・・・?」
好き?川崎が?俺のことを?
俺は川崎が何を言ったのか、一瞬わからなくなった。
「文化祭でさ、あんた私に愛してるぜって言ったろ。その時から何か気になってて・・・。」
俺は黙って聞く。
「席替えで隣になって、あんたには助かったって言ったけど、本当は嬉しかった。ここから・・・何か変われば良いって・・・。」
「川崎・・・。」
「弁当は、確かに1回目は作りすぎたから持っていったんだ。でもあんたがあの時また愛してるって言ったせいで・・・もう手遅れになった。あんたは何の気無しに言ったのかもしれないけど・・・。私は素直に嬉しかったんだ。私の気持ち・・・わかった?」
「ああ・・・。」
俺が言った2回の愛してる。それが原因で川崎は俺のことを好きになった。
でも2回とも本気で言ったわけじゃない。だから俺には川崎を勘違いさせてしまった罪がある。
本来なら、罪を償う為にここでしっかりと謝らないといけない。
「・・・すまん。確かに俺が言った2回の愛してるは本気で言ったことじゃない。それは謝る。本当に悪い。」
俺が謝った瞬間下を向いている川崎の目にぼんやり涙が浮かんだように見えた。
「でも、お前と隣の席になって、予備校でも話すようになって、弁当もらって、メールや電話するようになって、俺も・・・お前に惹かれてたんだよ。」
「・・・え?」
川崎は顔を上げ、ジッと俺を見る。
「川崎・・・今度は本気で言うから、ちゃんと聞いててくれ。」
「うん・・・。」
「好きだ。愛してる。だから・・・俺と付き合ってくれ。」
「・・・。」
川崎は黙っている。
「ダメか・・・?」
返事がない。川崎から好きだと言われているのに心配になって聞いてしまう。
「あんた・・・バカじゃないの・・・。そんなの・・・。」
そんなの・・・と言った後、川崎は目線を逸らし、一度を大きく息を吸った。
そして、俺の方を向き、涙目になりがならも、俺が今までに見た川崎の中で一番の笑顔で、最後にこう言った。
「良いに・・・決まってるでしょ・・・!」

―席替えは時として、突然に新たな道を作る。完―



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
98Res/66.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice