過去ログ - 御坂「あんたのこと」食蜂「大好きよぉ」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/17(土) 22:44:05.92 ID:BX4MDBAAO
〜31〜

騎士団長「何だこれは!?」

神裂「――空が、雲が?!」

三本柱の内『峻厳』を司る大電波塔帝国タワーを目前にして、騎士派と合流した神裂は思わず立ち止まる。
同時に相対していた駆動鎧や警備員等も銃を下ろし、見上げる先は突如として黄金色の雲に覆われた大空。
雲の形一つ一つが蝋や石膏で象ったイコンのように流れ、アルカイックスマイルを浮かべ見下ろしている。

黄泉川「これは何じゃん」

鉄装「わかりません……」

そしていつしか魔術サイドと科学サイドが相対していたはずの学園都市の街並みが移り変わって行き――
小麦、大麦、葡萄、無花果、石榴、橄欖(オリーブ)、棗椰子が生い茂る、青海無き雲海の地へ変わる。
死も苦痛も叫びも悲哀も夜も呪縛も無く、火焔と月と水星と金星と火星と太陽と木星と恒星が回る世界。
愛に殉じた者が、信仰を守り抜いた戦士が、正義ある統治者が、清廉にして智慧ある諸聖人が集う楽園。

神裂「馬鹿な!有り得ません!もう開かれたというのですか!」

その光景に神裂は既視感を覚える。あの時は何千という十字架、何万という髑髏、罅割れた砂時計に……
腐り落ちた果実、砕け散った弦楽器、引き千切られた鎖、折れ曲がった鍵、ひしゃげた釘に彩られた地。
『在らざるモノ』が雲霞の如く現れた『地獄の門』とは正反対ながら同等の戦慄を齎す『天国の扉』に。

セラフィム「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」

ケルビム「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

オファニム「クククククククククククククククククククククク」

燃える車輪と幾多の目を持ち、燃える火の剣と数多の翼を担う天使達が、歌い上げるようにして嗤笑する。
一体一体が世界を滅ぼしかねない『ガブリエル』に勝るとも劣らない御使い。アレイスターの残した呪い。

食蜂『“叩け、天国の扉”』

そして『魔術師』でもあり『能力者』でもある土御門が『衝撃の杖』をガラスケースから取り出すなり――
両目の毛細血管が破裂し失明するも食蜂は止めず、足を組んだままついていた頬杖を外し手を振り下ろし。

土御門『承リマシタ食蜂様』

3億165万5千722体もの天使達が現世へと解き放たれた。




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