過去ログ - 御坂「あんたのこと」食蜂「大好きよぉ」
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48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/17(土) 22:54:51.01 ID:BX4MDBAAO
〜69〜

事が済んだ後、白井はシャワーを浴び、泣き疲れて眠ってしまった結標をベッドに残し艦内を歩いていた。
まるで共食いのような情事だった。全く濡れて来ないのに、互いの体温に逃げ込むようなそれのせいか――
僅かに持ち直し、こうして海原を殺したという上条の真意を問い詰める為に歩き回れる程度には回復した。

神裂「――白井黒子」

そんな時であった。居住区へ連なる通路にて、失われた左足の代わりに七天七刀を杖代わりに歩く聖人……
神裂と出くわしたのは。その眼差しには隠しようもない敵意を何とか収めようとする迷いが見受けられる。
それを見て白井は泣きたくなった。恐らくは、こうなる以前はとても実直な人間だったろう片鱗が窺えて。

神裂「どうやら目覚めたのですね。しかしここは居住区ですが」

白井「類人猿、いいえ上条当麻さんにお会いしたくて、ここに」

神裂「………………」

今度は神裂が泣きたくなった。上条当麻。神浄討魔となる前の彼を知っている人間に訳もなく込み上げて。

神裂「会わせてあげましょう。もしかしたら、思い出せるかも」

〜69.5〜

白井「――――――」

白井は心の何処かで期待していたのかも知れない。如何に御坂を追い込もうと、海原を殺したと言えど……
会えば何かわかるかも知れないと。だがその希望的観測は強化アクリルガラスの向こうの光景を見るまで。

神浄「あーあ、あーん」

禁書目録「ごめんね」

そこには生きる屍のように糞尿塗れで部屋を徘徊する、曖昧模糊とした表情で白井を指差す上条の姿と……
こちらに背を向ける形で、白いタオルに包まれた『何か』をあやし、ごめんねと呟き続けるインデックス。

神裂「今の彼の脳は穴空きチーズも同然です。そしてあの子の」

白井「………………」

神裂「精神も同様です。“あれ”を産んでからずっとああです」

御坂達が人類に開かせた核というパンドラの匣に希望など残っていなかった。そこで白井は気付かされる。

白井「……鼻血!?」

止め処なく流れ出す鼻血がスカートをブラウスを汚す。そう、白井とて明日をも知れぬ身なのだ。そして。

禁書目録「ごめんね」

インデックスの抱えている『何か』のタオルが落ちる。その形は『ウィトルウィウス的人体図』のように。




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