159: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/09/17(火) 21:21:09.62 ID:NQwOefAB0
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二つの影が交差する。
片方は黒い体のおよそ正義の味方と思えない化物。
片方は戦場には不釣り合いなゴシック調のドレスを着て、傘を持った少女。
まるで喜劇の一幕の様な戦いは、何よりも鮮烈で何よりも苛烈だった。
「あはっ。やっぱりあなたってとっても素敵ね」
「邪魔すんじゃねえ!!」
黒い獣の爪が少女に襲いかかる。
しかし、少女はその爪を傘の先で受け止め、不敵に笑う。
傘の先と爪が擦れ合い、耳障りな音を立てる。
それは青年が力を入れ、そのまま押し切ろうとしているからだ。
だが、そんな事をものともせず、彼女は笑顔のまま、彼を眺め続けた。
何がそんなに楽しいのか。
何がそんなにうれしいのか。
彼には分からなかった。
彼女にそれを問いたい、とも思った。
だが、今の彼にそんな余裕はない。
巨大モンスターの所に一刻も速く向かわなければいけない。
「退け!! 相手ならいつでもしてやる!!」
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