145: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:24:50.66 ID:qsOOelxu0
黒猫「それで、あなたたちは一体何をしていたの? こんな日が昇っている時間から」
その言い方はやめて欲しいぜ。 日が沈んでいたら良いみたいじゃねえか。
あの後、結局正気を取り戻した桐乃が黒猫に連絡を取り、なんとか一旦は呼び戻すことができた。
146: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:25:20.50 ID:qsOOelxu0
黒猫「ふん。 そんなのは決まっているわ。 だってここ、わたしたち全員の場所じゃない」
京介「いつからだよ!?」
沙織「それはもう、遥か昔のことですな……」
147: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:25:50.27 ID:qsOOelxu0
桐乃「……そこまで否定しなくても」
桐乃が隣で何かを呟いている。
……いや俺にははっきり聞こえたけど、聞こえなかったということにしておこう。 恥ずかしいから。
148: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:26:16.69 ID:qsOOelxu0
黒猫「それより、わたしが気になるのはそっちの方ね。 そのあなたたちを結んでいる銀の鎖……シルバーチェーン」
なんで横文字なんだ。 つうかただの手錠だろうが。
京介「ああ、これはだな……」
149: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:26:46.20 ID:qsOOelxu0
京介「ええっとだな……簡単に説明すると事故なんだよ。 俺たちにとっても望んだことじゃないから。 こんな状況であれだが一応言っておくけどよ。 な、桐乃」
桐乃「そ、そうそう! 嬉しくないって言えばウソになるケド……でも、そうしようとしてしたワケじゃないから」
……駄目だこいつ。 まだテンパってるだろ。 でもお前が嬉しいと思ってくれているのに俺は喜べばいいのだろうか。 素直に喜べる状況じゃないけど。
150: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:27:36.15 ID:qsOOelxu0
沙織「ですが、そういうのには大体鍵が付いているのでは?」
京介「それなんだけど、一個あった鍵を……失くしちまってな。 元々はあやせの物だから、あいつがスペアの鍵を持ってくれてたら助かるんだけどさ」
沙織「ほほう……なるほどですな。 それで、もし持っていなかった場合は?」
151: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:28:51.61 ID:qsOOelxu0
桐乃「ね、ねえ。 京介」
そんな俺の考えなんて知らずに、桐乃は言いながら俺の服の袖を空いている方の手で引っ張る。
京介「どした?」
152: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:29:20.96 ID:qsOOelxu0
京介「桐乃?」
桐乃「だ、だから……」
何かを訴えるように桐乃は俺のことを上目遣いで見る。 この妙な緊張感は一体何だ……。 桐乃が何を言いたいのか、分からないぞ。
153: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:29:47.18 ID:qsOOelxu0
桐乃「……」
桐乃は返事はせずに、黙ったまま一度、首を縦に振った。 つまりは肯定。
同じ性別だからこそってか。 そういうことね。
154: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:30:14.66 ID:qsOOelxu0
桐乃「そ、それはムリだけど……」
京介「だったらしょうがないじゃねえか。 ほら、行くぞ」
桐乃は渋々頷き、俺と一緒に立ち上がる。
155: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:30:41.46 ID:qsOOelxu0
そうだ。 変に意識するからこんな妙な空気になっちまうんだ。 平常心、平常心。
桐乃「じゃ、じゃあ入るから……その、そこで待っててね」
京介「お、おう……」
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