85: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:31:53.40 ID:tcCZFDmB0
こうして、俺と桐乃の前からあの猫は去っていった。
短い間ではあったけれど、今回のことで分かったことが一つある。
それは。
86: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:32:31.08 ID:tcCZFDmB0
だからこそ、自分にもう少し優しくなっても良いのでは、と俺は思う。 しかしそんなことを本人に伝えれば、こんな感じで返事が返って来るのは目に見えている。
「ヤダ。 京介が言っているそれが、あたしなんだから。 あたしがそんなんだから、京介が居るんでしょ?」
と、多分こんな感じだろう。
87: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:32:58.65 ID:tcCZFDmB0
かつて、桐乃は俺にこう言ったことがある。
「あたしは逃げてばかりで、京介に助けられてばかりなんだよ」
と。
88: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:33:23.91 ID:tcCZFDmB0
そして、俺のこと。
俺にもやはり、ペットという物は向いていないのだろう。
それは桐乃がそうだから、という理由ではない。 桐乃のよりも恐らくは明確で、はっきりした理由が今回のことで分かった。
89: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:33:51.38 ID:tcCZFDmB0
桐乃「京介! なにぼーっとしてんの? とっとと帰るよ」
京介「お、おう」
ついさっきまで泣き笑いみたいになりながら見送っていたというのに、元気が良い奴だよ。
90: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:34:28.29 ID:tcCZFDmB0
桐乃「そ」
京介「……俺ってそんな性格悪そうな奴に見えるか?」
桐乃「いや……そうゆーことじゃないんだケド」
91: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:34:55.24 ID:tcCZFDmB0
全く持って嫌になってしまう。
俺が猫に嫉妬していた? 兄である俺が、妹と仲良くしている猫に?
もしそんな奴が居たとしたら、どれだけシスコンなのかと聞いてやりたいぜ。
92: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:35:31.98 ID:tcCZFDmB0
……。
……悪いかよ嫉妬して! そうだよ俺は猫に嫉妬してたんだっての!
京介「桐乃、帰ったら遊ぼうぜ」
93: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:35:56.35 ID:tcCZFDmB0
桐乃「あっそ。 じゃああたし一人でエロゲーやるし」
こ、この野郎め。 絶対分かって言ってやがる。 お前だって俺と遊びたい癖によお!
……でも桐乃の方が我慢強いしな。 こいつは俺がこのままなら、絶対に一人でエロゲーやる気だ。
94: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:36:52.21 ID:tcCZFDmB0
桐乃「シスコンきも〜い!」
京介「文句あっか!」
俺は機嫌良さそうに笑う桐乃を勢いよく抱き締める。 これもなんか、久し振りな気がするぜ。
1002Res/381.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。