過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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579: ◆GULJi96aoSzS
2013/09/16(月) 07:10:49.62 ID:j357faEb0
>>570-574 修正版 2/2


     ×   ×   ×   ×


 改札を抜け南口を出ると海からの風が吹き付けてきた。

 しかし、幸いにもそれはたった一度きりのことで辺りには海風の残した潮の香が漂っていた。


 やがてその香りも消えた。

 そんな時、雪ノ下の住む高層マンションの前に着いた。


「比企谷くん、今日も楽しかったわ」
 雪ノ下は満ち足りたような笑顔を湛えていた。

 
「雪ノ下、俺も楽しかった。それに数学も教えてくれてありがとな。また明後日教えてくれ……」

 俺はやっぱり雪ノ下の笑顔には弱い。
 恥ずかしくなって最後の方は目をそらしてしまった。

 
「……えっ!?」

 雪ノ下は一瞬固まった。

 そして、困惑の表情を浮かべている。


「ひ、比企谷くん……、そ、それってど、どういうことかしら……?」
 雪ノ下の声はだんだんとか細くなっていき、今にも泣きそうな表情をしている。


「雪ノ下、もしかして……お前勘違いしてないか?」


「……えっ!?」

 雪ノ下は涙を浮かべながら、きょとんとしている。


「明日はせっかくのクリスマスイブだろ……、だから……、みんなと落ち合うまでの間、お前と2人きりで
デートし……」

 まだ言い終えぬうちに雪ノ下が俺の胸にいきなり飛び込んできた。

 そして、俺のコートの胸元を掴み、嗚咽を漏らし始めた。


 そんな雪ノ下を抱きしめると、コートを握る手がギュッと固くなった。


「雪ノ下、誤解させて悪かったな……」

 そう言いながら、きれいな黒髪を撫でてやった。



 しばらくすると嗚咽が止まった、と同時に雪ノ下の手から力が抜けてだらんと垂れ下がった。


 なおも甘えるように俺の胸に体を預けてくる雪ノ下を左手で抱きしめた、


 そして、雪ノ下の気が済むまでつややかな黒髪を右手で撫で続けてやったのであった。



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