過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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932: ◆GULJi96aoSzS[sage]
2013/10/26(土) 19:43:36.29 ID:t4lG1/uao


 ── 春

 4月になって数日が過ぎた。
 今日から俺は大学3年生として学部生になった。

 春は新たな出会いの季節だと世間様は言う。
 確かにその通りだ。
 それは否定しない。
 ただ、ぼっちにとっての「新たな出会い」は世間一般のそれとは全く異なった意味合いを持つ。
 そう、春は新たなトラウマとの出会いなのだ ──


 高校卒業後、俺は雪乃と同じ大学に進学した。
 雪乃が手とり足とり、苦手だった数学をわかりやすく教えてくれたおかげだ。

 大学入学後のこれまでの2年間は、雪乃とはクラスこそ違えども可能な限り同じ科目を履修してきた。
 空きコマの時間や昼食はもちろん一緒に過ごしていたし、通学も毎日一緒だった。
 一緒にいる割には相変わらずお互い口数は少なかったけどな。

 この2年間雪乃とはかなりいちゃついて日々ふたりだけの世界に生きていた。
 そのおかげで2年間にできた友達はゼロである。

 否、それは言い訳だ。

 お蔭も日向もなにも雪乃と一緒にいてもいなくても間違いなく友達なんかできなかったことだろう。
 雪乃もまた然りだったと言えよう。

 否、むしろ雪乃がいてくれたことでこの2年間は、ぼっちにつきもののトラウマが量産されずに済んだ
と言った方が正しい。


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