過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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◆GULJi96aoSzS
[sage]
2013/10/26(土) 19:58:34.01 ID:t4lG1/uao
「なぜ……、一人なのかしら……」
もうなんという声音なの。
いや「怖」音といった方がいい。
それとも、「恐」音?
「そりゃ、だって大学の……」
小町が何やら俺にサインを送っていた。
人差し指を立て口の前でチッ、チッと振っている。
「なぜ、一人なのかしら」
小町のサインでようやく雪乃の意図が理解できた。
はー、仕方ない……。
「雪乃……、良かったら俺と一緒に四国に行かないか」
「ええ、もちろんよ、八幡……」
急に目をキラキラと輝かせ、柔和な表情に変わった。
こいつ何面相なの?
十一面観世音とかそんな穏やかなやつじゃなくて、阿修羅とかの類でしょ、あなた。
「せっかくのお誘いを断ったら八幡がかわいそうじゃない。私以外にあなたと旅行に行っても構わ
ないなんて言う女性なんかほかには誰もいないでしょ」
そう言うと、ウインクをしながら小首を傾げてきやがった。
俺が一番弱い仕草を熟知しているだけあってたちが悪い。
俺っていつもこの仕草に騙されているよな……。
ここまでわかっていながら、雪乃の虜になっている俺。
多分、この先の人生には「比企谷八幡下僕エンド」が待っているのだろう。
「そうね……、祖谷に行くというのならやっぱり、かずら橋ね。それに、大歩危小歩危で
遊覧船にも乗りたいわね……」
さて、日程を1日、2日伸ばしてもう一度旅行計画を練り直した方がいいかもな。
ルンルン気分で一人盛り上がって饒舌になった雪乃を見て、俺と小町は苦笑したのであった。
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