過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
1- 20
940: ◆GULJi96aoSzS[sage]
2013/10/26(土) 19:58:34.01 ID:t4lG1/uao





「なぜ……、一人なのかしら……」

 もうなんという声音なの。
 いや「怖」音といった方がいい。
 それとも、「恐」音?


「そりゃ、だって大学の……」

 小町が何やら俺にサインを送っていた。
 人差し指を立て口の前でチッ、チッと振っている。


「なぜ、一人なのかしら」

 小町のサインでようやく雪乃の意図が理解できた。
 はー、仕方ない……。


「雪乃……、良かったら俺と一緒に四国に行かないか」


「ええ、もちろんよ、八幡……」

 急に目をキラキラと輝かせ、柔和な表情に変わった。
 こいつ何面相なの?
 十一面観世音とかそんな穏やかなやつじゃなくて、阿修羅とかの類でしょ、あなた。


「せっかくのお誘いを断ったら八幡がかわいそうじゃない。私以外にあなたと旅行に行っても構わ
ないなんて言う女性なんかほかには誰もいないでしょ」

 そう言うと、ウインクをしながら小首を傾げてきやがった。
 俺が一番弱い仕草を熟知しているだけあってたちが悪い。

 俺っていつもこの仕草に騙されているよな……。
 ここまでわかっていながら、雪乃の虜になっている俺。
 多分、この先の人生には「比企谷八幡下僕エンド」が待っているのだろう。
 

「そうね……、祖谷に行くというのならやっぱり、かずら橋ね。それに、大歩危小歩危で
遊覧船にも乗りたいわね……」

 さて、日程を1日、2日伸ばしてもう一度旅行計画を練り直した方がいいかもな。
 ルンルン気分で一人盛り上がって饒舌になった雪乃を見て、俺と小町は苦笑したのであった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/491.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice