過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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960: ◆GULJi96aoSzS[sage saga]
2013/10/26(土) 21:21:17.37 ID:t4lG1/uao


    ×   ×   ×   ×


「さぁ、神戸までぼちぼち向かうか。雪乃、運転代わってくんない?」

 そういえば、初日の大鳴門橋のあたり以外は全部俺が運転していたよな。
 交代で運転するって話だったのに。


「嫌よ!」

 力強くきっぱりと断った。
 なにその「ますらおぶり」は。
 あなた、鎌倉武士なの?


「……だって、こうしていられないじゃない……」

 オートマ車なのでほとんど使うことのないシフトレバー。
 その上にちょこんと置いている俺の左手にそっと右手を添えてきた。


「そうかい」


「ええ、そうよ」 


 結局、そのまま運転することになった俺だが、ちょくちょく休憩をとりながら神戸に向かった。
 せっかくだから何か見ていこうと阿波の土柱に立ち寄った。
 世界三大土柱の一つらしいが、俺も雪乃も初めてその存在を知った。
 サスペンスドラマのクライマックスで登場しそうな場所だった。

 周りには誰もいない。
 雪乃とボーッとしながら風雨が長い年月をかけて形成した景観を楽しんだ。


 さて、次はどこに行く?


「……」

 雪乃は赤面して激しく狼狽していた。

 俺たちが入ったのは某名所近くにある日本初という秘宝館だ。
 よくもまあこんなに集めたものだと、所狭しと並ぶ「お宝」の数々。
 雪乃と一緒なだけあって、かなり目のやり場に困った。
 雪乃なんかは完全に目が泳いでいた。

 一見物静かそうなご主人が展示品を前にして立て板に水の如く饒舌に語りだす。
 このギャップがたまらない。
 雪乃はかなりテンパっていたが、なおも口上は続いた。

 なぁ、雪乃……、これからは他人様の忠告には素直に耳を傾けることだな。
 俺は一応、よしとけって言ったからな……。

 それにしても、ディープだ、ディープすぎる……。
 白昼夢の中をさまよっているような感覚にとらわれたのであった。




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