過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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971: ◆GULJi96aoSzS[sage saga]
2013/10/26(土) 22:16:21.17 ID:t4lG1/uao


「ところで、八幡。あなたに2つ話したいことがあるの」

 雪乃はスッと立ち上がると、子どもたちを起こさないように寝室から茶封筒を手にして戻ってきた。


「あなたと一緒に見たかったから、まだ私も見ていないの……」

 中からは、校正用のゲラが出てきた。

 俺たちの子どもたちが大好きな「腐った目をした魚と心を閉ざしたお姫様」の絵本の原稿だった。
 ふたりで一枚一枚じっくりと見ていった。


「……どうかしら」

 雪乃は恥ずかしそうにぼそぼそと言った。


「すごくいいな、これ」

 雪乃はこの春、会社を辞めた。

 子育てに専念したいとのことだったが、せっかくだから趣味で書いている童話や紙芝居を児童文学賞に応募
するように勧めた。
 書き溜めたものの中から1点応募し、賞を取ったのがこの作品だ。
 そして、現在絵本として出版の準備が進められている。

 編集者にほかの作品も認められ、これからは子どもたちを幼稚園に預けている間、主婦として家事をこなす
傍ら兼業作家としてやっていくことになった。
 もちろん、俺は夫として2児の父として雪乃をしっかりと支え、これまで以上に子育てにも励むつもりだ。

 雪乃を抱き寄せると、きれいな黒髪を撫でつけた。

 雪乃も甘えるように俺の胸の中に顔をうずめた。



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