過去ログ - 【咲×?】寄ってらっしゃい見てらっしゃい咲SSの時間だよ【百合】
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4:【咲×智葉 17:逃げる】[saga sage]
2013/08/22(木) 02:13:06.04 ID:HyaxTVvD0
-10月

ジリリリリリリ

智葉「……朝か。まったく、呆れるな」

智葉(未だにインハイの夢を見る…。女々しいことこの上ないな)

インターハイは結局、白糸台の連覇で幕を閉じた
臨海は3位となったが、決勝まで残ったことで監督は留任した

そして…

咲「」Zzzzz

智葉(ルームシェアを初めて2週間、か…。まさか本当に引き抜いてくるとは思わなかった)

インハイが終わってからの夏休みをつぎ込み、監督は長野に通い続けた
どんな説得をしたのか知らないが、宮永咲の引き抜きに成功した

成功の報告と共に、監督は私にこう言った

監督「というわけで智葉。宮永の面倒を見てやってくれ。どうせ寂しい一人暮らしだろ。可愛い妹ができたと思って、な」

そこで引き受けてしまったのは、どういう心境だったのだろう

智葉(可愛い妹、か…)

すやすやと眠り続ける咲
なんとも言えない、幸せそうな表情。起こすのがもったいなく思えてしまう

――妹は、いません

意識はしないようにしても、心のどこかでは引っかかっていたのだろう

監督が引き抜きの際に咲の身辺調査をした結果、宮永照の妹だというのは間違いないということだった
なのに、妹がいることを否定する、宮永照

智葉(こんなに可愛いのにな…)

何があったかは知らないし、むやみに口を出すことではないのかもしれないが

智葉「咲、そろそろ起きろ」

咲「……あと5分」

智葉「学校に迷わず行けるなら、好きなだけ寝ていろ」

咲「ううぅ、起きます…」

体を揺さぶっても反応は乏しかったが、突き放すように言うと起きようと体をユラユラと揺らし始めた
起きるとは言ったものの、まだ完全には覚醒していないようだ

監督がルームシェアを押し付けたのは、咲のその類稀なる方向音痴が大きな要因のようだった
学校の寮もあるにはあるが、学校から少し離れている。それに寮に入っているのはほとんどが留学生で、咲のサポートをできる状態ではない

咲「智葉さんはすぐに起きれて羨ましいです」

智葉「まだ生活に慣れていないんだろう」

咲はようやくノロノロとベッドから降りた
今までは私が使っていたベッドだが、咲が来てからは咲に譲って私は床に布団を敷いている

咲「でも、智葉さんのおかげでだいぶ慣れてきましたよ」

智葉「それはなによりだ。とりあえず着替えてこい、ご飯の支度はしておく」

咲「ごめんなさい、いつも任せてしまって」

智葉「夜は作ってもらっているんだ、お互い様だよ」

ペコリと頭を下げて、咲が着替えに行く

今までは、ただ黙ってご飯を用意し静かに食べるだけの、味気ない生活
朝に弱い、道に迷う。けれど、気配りのできるいい子じゃないか…

智葉「なぁ、与太なんだろう…。宮永照」

2週間共に暮らしただけと言えばそれだけなのかもしれないが、それでも言わずにはいられない
こんな妹をいないと言えるなんて、与太話でなかったらいったい何だというんだ…


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