過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/22(木) 19:03:31.28 ID:ESoSJTHeo



 もうひとりだけ、よく話す女の子がいる。
 その子とは学校の屋上でよく出会う。俺は不思議と、彼女とだけは普通に話をすることができた。

 というのも、彼女の発言というのが、哲学的というか、文学的というか、そういう変な具合だから。
 いつも形而上学的で、思索的で、つまりよくわからない。

 以前、俺は彼女にクラスメイト達の色恋について訊ねたことがある。
 俺たちふたりにしては、比較的地に足のついた話題だった。

「学生時代の恋愛なんて、どうせ卒業までには別れるのが大半でしょ。興味ないよ」

 彼女はそんな、どこかで聞いたようなことを言った。
 俺も彼女相手にはあまり緊張せずに済むので、

「いつかなくなるものに意味がないっていうなら、生きていることにだってなんの意味もないのだぜ?」

 と、そんなふうに気取って言い返しすらしたのだけれど、

「だからそう言ってるでしょ?」

 と呆れた風に言われてしまうと、それ以上は何も言える気がしなかった。
 つまり彼女はよく分からない子だった。




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