過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/26(月) 19:08:12.93 ID:6bIMMG+Io

「それで、訊きたいことって?」

「小説のこと、なんですけど」

「え?」

「……変ですかね?」

 変といえば、変だった。
「小説のこと」というのが彼女が書くものについてなのか、俺が書いたものについてなのかは分からない。
 たぶん前者についてなのだろうけど、そうだとすると俺に訊ねる理由が分からなかった。

「まあ、変といえば変だね」
 
 俺は思ったことをそのまま言った。
 彼女は俯いて、何か考え事を始めてしまった。

「寒くなってきたし、部室いかない?」

「……はい」

 後輩が頷いたのを見て、俺は校舎の中へと向かった。後輩は黙ってあとをついてきた。

 結局、そもそもの用件だったらしい「訊きたいこと」を、彼女がその日のうちに訊いてくることはなかった。



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