過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/29(木) 17:43:02.99 ID:ILGw8eTRo

 別に上手かったわけでもないし、好きだったわけでもない。
 そんな奴が走れなくなったからって気に掛ける奴なんていなかった。

 別に運動が好きだったわけじゃないんだし、走れなくてもいいんじゃない? なんて言う奴までいた。
 ほら、やる気なかったんだし、部活サボれてちょうどよかったろ? なんて。
 そのときは笑ってごまかした。
 
 俺は今日に至るまでそいつの名前を忘れたことはないし、そのときの彼の表情を忘れたこともない。
 思い出すたびに憎くてたまらなくなる。今でもあんな奴は死んでしまえばいいと思っている。

 馬鹿げた話だ。

「もう寝ろよ」

 と俺は言った。従妹は困った顔をしていた。そんな顔をされても、俺にはどうしようもない。
 なぜだろう。今日はとにかく、人の態度まで思いやれるほどの余裕が残っていない。

 嫌なことばかり思い出す。
 
 従妹は素直に頷いて俺の部屋を出て行った。



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