過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/30(金) 20:10:13.57 ID:2i4JNhXpo



 好きなものを書けばいいんだよー、と部長なら言うんだろうけど。
 シィタ派はともかく、俺はその「好きなもの」というのがよく分からなかった。

 好きな食べ物はなんですか。リンゴです。
 ではリンゴについて書いてみましょう、という話になるんだろうか。

 じゃあ今回の「彼女」はリンゴが好きだった。そういうことにしてしまおう。
「彼女」は今、自分の家にいる。一人暮らし。どこかのアパートの一室だ。

 その日は平日だったけれど仕事は休みで、天気は朝からどんよりとした曇りだった。
 
 家に居るのは退屈だったけれど、取り立てて済ませてしまいたい用事もない。
 だから、ぼんやりと窓の外の雲の形を眺めながら、さて、出掛けるべきか出掛けざるべきか、などと悩んでいる。
 
 それから彼女はどうしてもリンゴが食べたくなって、結局出掛けることにする――?

 ……ないだろう。この「彼女」はどう考えたってリンゴひとつのために出かけるような女じゃない。
 仕事帰りに立ち寄った果物屋で気まぐれにリンゴを買うような女だ。

 それでもどうにかしてこの女に出掛けてもらわなくては困る。
 まったく面倒な女だ。もうちょっと素直で扱いやすいほうが助かる。



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