過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:33:20.74 ID:V5jBt9NRo



 編入生が部誌のバックナンバーに目を通し始めたのを確認してから、俺はノートを開いた。

「……やっぱり書くんじゃないですか」
 
 後輩がすぐに声を掛けてくる。ちょっとわずらわしい。今引っかかったところだったのに。

「べつにそういうんじゃない」

 俺はそう返事をしたけれど、「そういうんじゃない」というのがどういうことなのかは自分でも分からなかった。

「なにがですか」

 と案の定彼女は不機嫌そうになる。

「ちゃんと書いてください。わたしは、待ってるんですからね」

 俺は三秒くらいその言葉を無視した。でも三秒経った後に、何かおかしなことを聞いたような気持ちになった。
 後輩の顔を見返すと、彼女はいたって真剣な顔をしている。愛の告白でもしてきそうなくらいだった。

「待ってるって、何を?」

「せんぱいが書くのを、です」

「……なぜ?」

「……」

「まあ、なんでもいいけど。あんまり期待には応えられそうにないよ」




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