過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/08/31(土) 20:33:20.74 ID:V5jBt9NRo
◇
編入生が部誌のバックナンバーに目を通し始めたのを確認してから、俺はノートを開いた。
「……やっぱり書くんじゃないですか」
後輩がすぐに声を掛けてくる。ちょっとわずらわしい。今引っかかったところだったのに。
「べつにそういうんじゃない」
俺はそう返事をしたけれど、「そういうんじゃない」というのがどういうことなのかは自分でも分からなかった。
「なにがですか」
と案の定彼女は不機嫌そうになる。
「ちゃんと書いてください。わたしは、待ってるんですからね」
俺は三秒くらいその言葉を無視した。でも三秒経った後に、何かおかしなことを聞いたような気持ちになった。
後輩の顔を見返すと、彼女はいたって真剣な顔をしている。愛の告白でもしてきそうなくらいだった。
「待ってるって、何を?」
「せんぱいが書くのを、です」
「……なぜ?」
「……」
「まあ、なんでもいいけど。あんまり期待には応えられそうにないよ」
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