過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:39:01.64 ID:V5jBt9NRo

 結局さ、堂々巡りなんだよね、と彼女は言った。

「つらいなあって思う。ちょっといいことがある。またつらくなる。その繰り返し。
 次にいいことがあるとは限らないでしょ。ずっと悪いことばっかりかもしれない。
 でも、ひょっとしたらいいことがあるかもって思って、続けて……いいことがあって、でもやっぱり終わって」

 堂々巡り。得意げな、綺麗な笑顔だった。

「いつまで繰り返すんだろう」

 自問のような言葉。
  
「彼女」を部屋から出すにはどうしたらいいのだろう、と俺は考える。

 たとえば「彼女」が小さな子供で、母親にリンゴを買ってくるようにお使いを頼まれた、となれば、そこで話は終わってしまえる。
 あるいは「彼女」が素直で、明るくて、活発な女の子だったら、気分転換に出掛けようって話にもなる。

 でもそうじゃない。

「彼女」はとても思いつめていて、根っこの部分で人に心を預けていない。そしてたぶん、ほとんど何も期待していない。



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