過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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219:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/03(火) 18:14:01.60 ID:tLGXVJlLo

 誰かは目の前にいる。たぶん心配そうな顔。
 見覚えがある。ちゃんとある。そうだ。誰だっけ?

「……いや、ちょっと寝不足で」
 
 と俺は答えた。まだ相手が誰なのかは分からないままだった。
 俺は何かのヒントがないかと思って辺りを見回してみる。取っ掛かりすら見つからなかった。
 目の前の誰かは、何かを勘違いして勝手に言葉を続けた。

「アイツ、風邪ひいて今日休みだってさ。おまえも気を付けた方がいいよ」

「……休み?」

「そう。騒がしいのがいないと、調子狂うよね」

「休み……」

 ――風邪をひいて休んでるんだ。
 ――×××が看てるから大丈夫だと思うけど。
 ――それにしても、嫌な雨だよな。

 ずきり、と、頭が痛んだ。そうだ。そうだよ。雨が降っていたんだ。あの日も。こんなふうな。
 だからすごく不安になるんだ。でも大丈夫なんだ。こんな雨の日は今までに何度もあった。
「俺」は大丈夫なんだ。不安がってるのは「彼女」の方だ。



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