過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
↓
1-
覧
板
20
240
:
以下、新鯖からお送りいたします
[saga]
2013/09/04(水) 18:15:46.12 ID:hAkQPchbo
とっさに何も言えなかった。
妹の顔は青ざめていたし、自分でも何が何だか分かっていないような様子だった。
パジャマ姿のまま、サンダルをつっかけて、髪も少し乱れたまま。熱に浮かされたような顔で。
すぐに従妹が後を追ってきた。彼女もまた、何が起こったのか分からないという顔でこっちを見た。
「……寝てろって言っただろ?」
と良い兄貴みたいなことを言ってみると、妹は俯けていた顔をあげて、俺と目を合わせた。
不安そうな表情で、こっちを見上げている。さっきよりずっと、今の方が具合が悪そうだった。
ほんの少しの時間しか経っていないのに。
「すぐに戻るから。な?」
そう言い聞かせようとしたとき、自分の声がすごく嘘っぽく聞こえた。
妹は一瞬、表情をくしゃくしゃに歪めた。泣きそうな顔。錯覚かと思うくらいに、短い間のことだった。
それから、数秒の沈黙が流れて、
「……うん」
と、掠れるような声で妹は呟く。
服の裾から手を離すと、ふらふらと従妹の方へと戻っていった。
従妹は何かを言いたげにしていたけれど、連れ帰るように促すと、結局それに従ってくれた。
ふたりの姿は、すぐに霧で見えなくなった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
642Res/457.09 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1377165370/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice