過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
1- 20
285:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:33:15.04 ID:g01J+w8Ko

 でも、それは俺のせいでもあったのだ。俺が「普通」を上手く装えてさえいれば、彼も声を掛けてはこなかっただろう。
 それに、ぼーっとしながら部室に残っていたのは自分だった。早く帰ればよかったのだ。 
 
 夕陽が綺麗だった。でも、だからって励まされたりはしない。
 だって俺と夕陽の間には何の関係もないのだ。

 夕陽が綺麗だからって、なんで自分も頑張ろうなんて思えるんだ?
 できることなら教えてほしいくらいだった。

 俺は何をやってるんだろう。
 小説も書かない。家事もやらない。バイトしたり勉強に精を出したりするわけでもない。
 
 せめて誰かの役に立てよ。
 それでなくても、おまえはこれまで散々人に迷惑を掛けてきたじゃないか。人を傷つけてきたじゃないか。
 そして今度は自分を責めたふりをして、気分だけで反省してるのか?
 違うだろ? おまえがするべきなのは手足を動かすことだろう?

 でも動く気になれなかった。不思議なくらい悲しい気分だった。その気になれば涙だって出せそうなくらいだ。
 自分でも、どうしてここまで動揺しているのか分からない。

「ああ、ちくしょう!」

 と俺は叫んだ。それでも収まりがつかなくて舌打ちを三度くらいした。
 そして長い溜め息をついて、両方の頬を三度叩いてから屋上を後にした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
642Res/457.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice