過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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411:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/16(月) 20:28:27.84 ID:zhZHaN9Ho

 そうか、と。
 それだけだった。

 据わりの悪い、落ち着かない気持ちが、胸の底の方からずるずると這いあがってくる。
 判決を待っているような気分。

 そんな俺の不安が顔に出ていたのだろうか。
 父は取り繕うように笑った。どこか乾いた、不安そうな顔で。

「そんな顔をするなよ」

「……でも」

「あのな」

 父はそう言って、何かを話し出そうとした。でも、何を話したらいいのか分からないような態度で、今度は唸り始めた。
 やがて、覚悟を決めたような、真剣な表情で、口を開く。

「おまえたちは、俺たちを責めていいんだよ。おまえが言ったことに間違いなんてなかった。
 母さんが出て行ったのは俺の責任だ。俺は母さんがそこまで追い詰められていたなんて知らなかった。
 その日その日をやり過ごすことで手一杯だった。たぶん今でもそうだよ。おまえが不安がっていることなんて気付かなかった」

 そこで一度言葉を区切り、窺うような目でこちらを見る。今度は俺が続きを促す番だった。




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