過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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421:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/18(水) 19:08:51.87 ID:HkmCtYrLo

 落ち着け、と俺は自分に言い聞かせた。
 
 前後の状況が思い出せないせいで、奇妙な焦燥感に襲われている。
 ましてや時間が分からないというのは最悪だった。

 外の明るさと霧の具合で見れば、明け方頃のように思えるが、昼と言われても夕方と言われても納得がいく。
 それ以前に今日は何日なんだろう? 俺はどのくらいの時間眠っていたんだ?

 考えても何も思いつかなかった。自分がこの状況をどうするべきなのかも分からない。

 俺はしばらく頭を抱えてぐるぐるという思考の渦に呑まれていた。
 けれど、不意にノックの音が聞こえる。

 ノックの音。

 俺は息をひそめて扉の向こうの様子をうかがおうとした。
 声も息も聞こえない。けれどノックの音だけはたしかに聞こえたのだ。

「誰?」

 そう訊ねた自分の声は、いつもよりずっと高く、幼く聞こえた。
 思わず咳をして喉の調子を確かめた。声を何度出してみても、それはいつも通りには聞こえてくれない。

「そこにいるんだね」

 そんな声が聞こえた。誰の声だっただろう。たしかに聞き覚えがあるのだけれど、思い出せない。



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