過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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441:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/20(金) 18:43:10.31 ID:TSSmLI+Wo

 それでも従妹はパジャマ姿のまま俺たちの傍に座り、一緒にせんべいをかじりはじめた。

「今日で帰るんだろ?」

 わざと、さらりと聞き流せるような軽い調子で、そう訊ねた。

「うん。おにいちゃんを寂しがらせて悪いけど」

 従妹のその言葉に、一瞬、見透かされたような気持ちになったが、そういえば昨日の夜、そんな会話をしたのだった。
 
 結局、俺はこいつの事情というのを、聞くことはできないんだろう。
 それは俺のためでもあったけれど、それでもやっぱり、こいつだって話したいわけではないのだ。

「一緒に暮らして分かったんだけどさ」

「ん?」

「おにいちゃん、生活力ないね。彼女できないよ」

「……おまえ、思ったこと全部言っちゃうの、やめた方いいぞ。友達できないから」

 軽口に対して軽口で返すと、従妹はちょっと傷ついたような顔になった。
 俺はその表情の変化に驚いた。焦りはきっと顔に出た。
 従妹がそれに気付かないわけはなくて、だから彼女は、取り繕うみたいにへたくそな笑みをたたえる。

 それからごまかすみたいに、「うん。気を付ける」と頷いた。



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