過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/22(日) 16:35:46.84 ID:9lqdvaLCo

 つまりね、と従妹は話し始めた。

「わたしが女性であるための条件って、なんなんだろう?」

「……どういう意味?」

「条件」と彼女は繰り返した。俺はとっさに肉体的な要因を挙げようとしたが、たぶんそういう話ではないのだろう。

「たとえばわたしの今の人格を、そっくりそのまま、その辺の男の人に移し替えるとするでしょう?
 そのときわたしの肉体はたしかに男の人だよね。でも、じゃあ、わたしの人格は?」

「実際に女性として生活した記憶がある以上、人格は女性なんじゃないか」

 人格。人格に性別があるというのは、考えたことのないことだった。

「じゃあ、わたしの肉体にある日突然、どこかの男の人の人格が入ったとしたら? 
 そのときおにいちゃんは、わたしを男だと思う? 女だと思う?」

「……理屈上、男にならないとおかしいけど、女だと思うだろうな」

「……女、っていうか、"わたし"だと思うよね?」

「そうだな。おまえが変なことを言い出したって思う。……つまり、何が言いたい?」

「わたしがわたしであるための条件って、なんだろうね?」

「……」




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