過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/09/26(木) 19:41:11.99 ID:TcbpP0uzo
「書いてくれませんか」と、長い沈黙の後、後輩は言った。
「なぜ?」と俺は訊ねた。
もう書くことなんてできそうにない。俺は気遣う余裕を失うほどに混乱していたし、疲れていた。
普段だったらこんな言い方しなかった。もっと器用にはぐらかしていた。
でももう無理なのだ。俺には何もできやしない。もうどうしようもないところまで来てしまったのだ。
「わたしはせんぱいの書いたものが読んでみたいんです。どんなものを書くのか、興味があるんです」
「自分と重ねたから?」
「……そう、かもしれません」
「だったら、自分で書くべきだよ。自分のことは自分で書くべきだ。本当は一人一人、個人的なものを書けばいいんだ。
誰かの文章を読んだりせずにさ。そういうものこそ、本当は普遍的になりうるし、なるべきなんだ」
「じゃあ、わたしも書きます。だから、せんぱいも書いてください」
交換条件にもなっていなかった。後輩は小さな声で話を続けた。
「入学してから、せんぱいと話をして、せんぱいがどういう人だったのか、知ろうとしたんです。
でも、そうすればするほど分からなくなって、やっぱり怖いし、緊張するんです。
本当にこの人があんなものを書いたのかって、不安になったんです」
「なあ」と俺は彼女の話を遮った。
「その話まだ続く?」
また彼女は同じ顔をした。いいかげんうんざりしていた。彼女は少なからず傷ついていた。
でもそれがどうした? 俺だって傷ついてる。
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