過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/28(土) 14:07:09.35 ID:KVRRLmPoo

「中学のとき、俺のことを好きだと言ってくれる人は一人しかいなかった。
 ひょっとしたら、一人いたというだけでも、十分すぎるくらい幸福なのかもしれない」

「そうだよ。存分に後悔したまえ」
 
 冗談めかして笑いながら、彼女は俺の言葉の続きを待っていた。目は合わせてくれなかった。

「本当は縋りつきたいくらい嬉しかったんだ。でもそれと同じくらい怖かった。
 だって俺たちはろくに話したこともなかったし、きみは俺のことをほとんど何も知らなかった。違う?」

 彼女は少し考え込んだ。

「……まあ、たしかに。所属している部活とクラスと、あとはおおまかなイメージくらいしか」

「どうせ失望させるだけだって思ったんだ。俺だってきみのことはほとんど何も知らなかったしね。
 だって俺は俺という人間のろくでもない部分をよく知っているし、きみはそれについてほとんど何も知らなかった」

「自虐的」と彼女は笑った。

「事実」と俺は答えた。

「だから振ったの?」

「そう、だと思う。とても後悔した。二週間くらいきみのことが頭から離れなかった」




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