過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/09/30(月) 20:16:10.69 ID:k2Irhjhjo
◇
取り残された俺はひとりでぼんやりと夕陽を眺めた。それから長い長い溜め息をつく。
風が凍てついたように冷たく、夕闇がタチの悪い冗談みたいに街を覆い始めていた。
枝野は行ってしまった。それは事実だ。
悲しいか、と俺は俺に訊ねる。
悲しい、と俺は答える。そう、俺は悲しいんだ。でもそれだけのことだった。
さて、と俺は考える。頭を切り替えなければ。
さて。さてさてさてさてさてさて……。
俺は何をすればいい?
決まっている。帰ればいい。もうここですべきことなんて何ひとつないんだから。
そう思ってから俺は急に悲しくなった。本当に悲しかった。涙が出そうなくらいだった。
すぐにでも校舎に入って枝野の姿を探そうかとも思った。
追いかけて何かを言うべきだという気もした。でも何を言えばいいのか分からなかった。
いったい何が起こったんだ? そう自分に問いかける。俺の身にいったい何が起こっているんだ?
これはいつまで繰り返されるんだ? どんなことが起こればこの状況から抜け出すことができるんだ?
でも答えなんてどこからも帰ってこなかった。
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