過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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545:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/30(月) 20:16:10.69 ID:k2Irhjhjo



 取り残された俺はひとりでぼんやりと夕陽を眺めた。それから長い長い溜め息をつく。
 風が凍てついたように冷たく、夕闇がタチの悪い冗談みたいに街を覆い始めていた。

 枝野は行ってしまった。それは事実だ。

 悲しいか、と俺は俺に訊ねる。
 悲しい、と俺は答える。そう、俺は悲しいんだ。でもそれだけのことだった。

 さて、と俺は考える。頭を切り替えなければ。
 さて。さてさてさてさてさてさて……。

 俺は何をすればいい?

 決まっている。帰ればいい。もうここですべきことなんて何ひとつないんだから。
 
 そう思ってから俺は急に悲しくなった。本当に悲しかった。涙が出そうなくらいだった。
 すぐにでも校舎に入って枝野の姿を探そうかとも思った。
 追いかけて何かを言うべきだという気もした。でも何を言えばいいのか分からなかった。

 いったい何が起こったんだ? そう自分に問いかける。俺の身にいったい何が起こっているんだ? 
 これはいつまで繰り返されるんだ? どんなことが起こればこの状況から抜け出すことができるんだ?

 でも答えなんてどこからも帰ってこなかった。




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