過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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546:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/30(月) 20:16:42.71 ID:k2Irhjhjo

「さて」と俺は口に出してみた。
「帰ろう」
 
 でも体はなかなか動かなかった。
 頭の中で何度か念じてみる。帰れ。帰るんだよ。もうここでやることなんてないんだ。
 ここにはもう何もない。
 
 とはいえ、そもそも最初からなかったのだけれど。

「帰ろう」

 もう一度そう口に出してから、俺は屋上を後にした。
 校舎の中には人の気配もろくになかった。物音さえしない。静まり返っている。
 
 俺は屋上から昇降口に向かうまでに間、誰とも出会わなかった。誰ともすれ違わなかった。
 きっともうこの学校には誰も残っていないんだろうな、と、そんな非現実的な妄想が頭をよぎる。
 みんなどこに行ったんだ?

 いや、決まってる。帰ったんだ。俺は何をバカなことを考えてるんだろう。
 でもどこに? みんなどこに帰ったんだ?



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