過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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550:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/30(月) 20:19:39.76 ID:k2Irhjhjo

 答えになっていなかったけれど、俺たちは商店街から結構歩いた位置にある町はずれのバッティングセンターまで歩いた。
 秋空の下でタイヤキを食べながら男二人で歩いていると、妙なことばかり考えてしまう。将来のこととか。

 バッティングセンターには、ほとんどいつも利用者が誰もいない。
 けれど、その日はなぜか、なんとなく人類が忽然と消えた世界のバッティングセンターみたいに見えた。 
 俺は建物の中からビィ派がバッドを構える姿を眺めた。
 
 彼は当てるたびに大袈裟に喜んで、外すたびに大袈裟に怒っていた。
 俺はその姿がなんだかおかしくて、彼が外すたびに笑い声をあげた。
 
 建物の中に戻ってくるなり、彼は充実したような溜め息をついて、
 
「やっぱ無理だな。俺に甲子園は」
 
 真剣な顔でそう言った。
 そうかと思うと今度は建物内にぽつんと置かれたUFOキャッチャーに目を留める。

「どうすっかなー、いいのねえな」

 と言いながらも、景品のぬいぐるみをいろんな角度から睨み始めた。




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