過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:46:34.01 ID:OhIxdLvyo

「わたし? わたしは、べつに、普通かな」

「普通?」

「うん。割と、普通。今のところ」

 どう考えても、三日前まで顔を合わせていた相手との会話じゃない。
 俺はすこし嫌な気分になった。
 
 つまりそれは、俺が彼女とほとんど向き合っていなかったという事実を端的に示しているのだ。

「なあ、おまえがこっちにいるときにさ、俺、変なこと言ったか?」

「え? あ、うん」

「あのな、今は比較的マシな状態だから、今のうちに言いたいことを全部言っておくけど……。
 俺は別におまえを傷つけたかったわけじゃないんだ」

「……べつに、傷ついてなんて」

「聞けよ」と俺は言った。

「俺はべつにおまえを傷つけたいと思ってるわけじゃないし、暗い気持ちにさせたいと思ってるわけでもない。
 おまえに嫌われたいわけでもないんだ。そうだろ? 誰かに積極的に嫌われたい人間なんていないよ。
 いるとしても、それはよっぽどひねくれて、どうしようもなくなってしまった奴だけだ」

 従妹は返事を寄越さなかった。ただ息遣いだけが電話の向こうから聞こえた。




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