過去ログ - リヴァイ、エレン 「その先にあるもの」
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29:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/05(木) 01:28:07.58 ID:9qyEC/6a0

その獣のような巨人は、いつか見た獣の巨人よりもふたまわりほど小さかった。
どうやら別の個体のようだった。

が、身のこなしも脅威もあの獣に劣らないのは確かだった。
その獣はたったのひとっとびでハンジさんとミカサを出し抜き、オレ達の目の前へ迫っていた。

[さっきの巨人はアナタだよね、やっと見つけたよ・・・。アナタに恨みはないケド、コロスね]

言うなり死をもたらす長い腕が振り上げられる。
今後は体がちゃんと反応する。 すぐさまアンカーを打ち込み、振り下ろされる前に隣の屋根へ飛ぶ。
なるべくリヴァイ兵長から引き離さなくては、それだけを考えていた。
案の定、獣はオレだけを狙っているようだ。 エルヴィン団長やリヴァイ兵長には目もくれず、オレだけを追ってくる。

(よし、このままなるべくはなれて時間を稼ごう。 きっとその間に、ハンジさんがリヴァイ兵長の手当てをして、
そしてトロスト区へ戻ってくれるはずだ。 )

温かい、本物の血。 巨人のそれのように蒸発したりしない、オレの体を染めているリヴァイ兵長の血。

なぜあの人は自分の身を犠牲にしてまで戦うのだろう。
なぜオレなんかをまた庇ったりしたんだ。 オレは気持ちの悪い化け物だっていうのに。
あの人を死なせるわけにはいかない。
たとえオレがここで死ぬとしても、あの人は人類の希望、俺の希望、皆の想いを背負っている人だ。
こんなところで死んでいい人じゃない。

獣がオレに迫っていた。
その後ろにはハンジさんとミカサ。
彼女達の実力をもってしても、この手足の長い、巨人としてもバカ力の獣にはてこずったようだ。
とにかく腕のリーチが長すぎて近寄ることが危険すぎる。

あの腕さえ封じれば・・・・!

( ・・・・やれるか? このまま逃げ回っていればいつかガスが切れる。
オレがもう一度巨人化してこいつを抑えられれれば、ハンジさんとミカサなら殺れるかもしれない)

できるか?ではない、できなければならない。 やらなければならない。
オレは一刻もためらわずにこの日2度目の巨人化を実行した。



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