過去ログ - 日下部若葉「若葉おねえさんにお任せなの」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 19:59:54.11 ID:7ZscUsOc0

「本当に……損な子ですよ、貴方は。泣き虫のくせに、甘えるのが下手で……なんでもかんでも、独りで抱え込もうとして……」

 抱きしめる腕に、力を込める。
 もっと近くに……私の温もりが伝わるように……彼の震えが止まるように。

「……こんな図体の男を捕まえて……損な子は、あんまりじゃないか、若葉姉さん……」

「うふふっ、い〜え! 貴方の中には、まだ小さな泣き虫だったころの男の子がいるんです……でも、頼りになる大人のプロデューサーである事だって、嘘ではないでしょう? 実際、私は貴方を頼りにしてきたんですよ?」

 抱く力を弱め、彼と向き合う。
 涙こそ止まってはいなかったが……もう、そこに虚ろな目はなかった。

「私も、貴方が大好きです。貴方の弱さも、強さも……全部含めて。だから、もう独りだけで背負おうとしないで、ね?」

 この時、いつの間にか私も涙を流していることに気がついた。
 寄り添いながら、涙を流す2人……だけど、互いの表情に憂いはない。

「まったく……若葉姉さんには……敵わないな……」

 彼の顔に、穏やかな笑みが戻る。私も、笑みを浮かべた。

 こうやって2人で分かちあい、笑いあえる。

 それが、とても……とても、嬉しかった。



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