過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage saga]
2013/08/23(金) 23:48:00.52 ID:MOu4w3xu0
そんな上条の心を知ってか知らずか
神裂が歩を止めぬまま肩越しに上条を見据えた。
「彼女らは実力のみならず、信念も専門家顔負けのものですよ」
もしかしたらあなたよりも。そう結んだ彼女に、上条は「まぁな」と頭を掻く。
「余計なこととまでは言いませんが、こちらもあまり余裕はありませんからね?」
「……もちろん、わかってるさ」
作戦が予定通りに進もうと進むまいと
施設の奥深くに侵入する以上、上条たちの危険度は低くない。
(もう少しだけ待ってくれ、食蜂。必ず俺がこの手で――と)
にわかに前を歩いていたはずの神裂とぶつかりそうになり、上条が慌てて顎を引いた。
彼女の長いポニーテールが顔に触れ、上条はくすぐったい感触を消そうと頬を撫で擦った。
「行き止まり、ですね」
「あ、あれ? おかしいな。途中の分岐はちゃんと見取り図通りに進んだよな?」
「……ちょっと待ってください」
神裂が目を細めながら壁に近づき、指先で壁面をなぞりつつ沿うように歩いた。ややあって――
「……ふむ、やはりここであっているようです」
そう言いながら上条に向き直った。
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