過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage saga]
2013/09/03(火) 07:20:19.37 ID:dpPWLj7X0
まだ上条が美琴をビリビリと呼んでいた頃、美琴は上条を倒すための方法を割と真剣に考えていた。
能力と名のつくものであれば何でも防ぎきってしまう右手を如何にして攻略するか。
考えに考えを重ねた結果、右手一本では対処しきれない多面攻撃が有効ではないかとの結論が出た。
その後、妹たちの事件を経て美琴と上条の関係は改善し
編み出された戦術は実行されることなくお蔵入りとなった。
もし事件の前にこの戦術で上条と戦い、ただの一度でも勝利を収めていたとしたら
上条との関係も今とは全く違うものになっていただろう。
「……ほんと、先走らないでよかったわー」
「ん、いったい何の話ですの?」
「あ、ううん! 何でもない、何でもないわよ」
ささっと手を振る美琴を、黒子が訝しげな目で見つめた。
「わたくしとしては、お姉様にはなるべくトラブルの矢面に立たないでいただきたいんですけれども」
「そんなこと言われても、今回は緊急事態だし仕方ないじゃないのよ」
「ですが……お姉様はあくまで一般人ですし、誰かに恨みを買うようなことがあっては」
「人助けのためなんだからつべこべ言わない。犠牲者が出るよりか百倍ましよ」
「……まぁ、言って聞くような手合いでなかったのは、認めますけどね」
渋々といった体で黒子が同意する。
戦いの合間にも幾度か投降を呼びかけたものの、返事は総じて銃弾と罵声でなされている。
結局いつものように大立ち回りを繰り広げ、いつものような光景をこうして見ている。
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