過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage saga]
2013/09/03(火) 08:30:43.33 ID:dpPWLj7X0
――施設内中層
神裂について進んでいくうちに通路が途切れ、開けた場所に出た。
「ここは……」
白塗りの部屋は一目殺風景で、周りには誰もいなかった。
やたらと太い円柱が、中央に四本立っているだけだ。
ちょっとした駐車場くらいはありそうなスペースに、置かれている物は何もない。
ただし、その異様さには入った瞬間から気づいていた。
まだそれなりに新しそうな壁や床に、タイヤ痕や銃の弾痕のようなものが無数にあった。
ところどころ、帯状に塗装が剥がれ落ちている。
ふと頭上を見上げると、照明の2割ほどが破壊されていた。
無駄に高い天井だけに、取り換えるのにも手間がかかりそうだ。
「おそらくは、兵器の実験場か何かでしょうが……」
神裂が上条の印象を的確に表現した。
地面に残るタイヤ痕を辿って見ると、向かって右手側の壁に集中している。
そして、そこがただの壁ではないことにもすぐに気づいた。
壁面には正方形の形に切れ目が入っていた。
ふいに、壁の中央が左右に割れた。
次いで、四角く切り取られた暗闇の奥から何かが飛び出してきた。
青、橙、黄色をそれぞれ基調としたカラーリング。
大型の警備ロボットかと勘違いしたが、人体を模した機体の頭部には、人影のようなものが見えた。
「――危ない!」
「うおっ!?」
前触れもなく胸板を押された上条が後ろに仰け反り、そのすぐ眼の前を銃弾が通過した。
乱れた体勢を即刻立て直し、上条が最寄りの柱の裏に駆けこむ。
そのすぐ横では神裂が、柱に背を預けたまま刀に手をかけていた。
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