過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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186:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/03(火) 08:59:55.12 ID:dpPWLj7X0
柱を隔てたところに三つの巨大な機体が整列し、ガスを噴射するような音が収まった。
実物を見るのは初めてだったが、それが何なのかは上条にもわかった。

学園都市管轄の二足歩行型災害支援機体。
土砂や瓦礫の撤去などに使われているという、通称駆動鎧(パワードスーツ)。
おそらくはそれを戦闘用にカスタマイズしたものだろう。
あるいは戦闘用に作られたのが先で、それが別の部署に払い下げられているのかもしれない。

『あぁ? なんだよ、この間のガキじゃねえか?』

「――っ、その声……」

拡声器を通したようなダミ声に、上条の表情が険しくなった。

『ははっ、覚えてくれてたか。どうだ? 刺された足の調子はよ』

忘れもしない、動物園で無抵抗の自分を痛めつけた男の声だ。
傷跡を残してほぼ完治したはずの太腿が、じくりと疼いたような気がした。

『しかしてめえ、意外とタフだな。数日で動き回れるような温いいたぶり方をしたつもりはねえんだが』

「……手間が省けたぜ。できたらてめえもぶちのめしておきたかったんだ」

『……ああん?』

聞き違えたかのような、続きを促すかのような声が部屋中に響く。

『誰が誰をぶちのめす、だって? 生身の俺に手も足も出なかったやつが駆動鎧に勝てるとでも――』

「相手が誰だろうが、たとえどんなに強かろうが」


拡声された冷笑を遮るように上条が声を荒げ――


「邪魔するやつは、捻り潰す」


並々ならぬ決意を滲ませて、そう宣告した。


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