過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
1- 20
208:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/04(水) 00:33:50.86 ID:V6cReWvf0
息の詰まるような睨み合いを崩したのは上条ではなく、男でもなかった。
ピピピ、と、目覚ましのアラームを連想させる規則的な電子音が、どこからともなく聞こえてきた。

上条が眉根を潜めるのをよそに、男が一瞬ばつが悪そうな表情を浮かべ、
視線を宙に泳がせながら手に持つナイフを放り捨て、軽く万歳をした。


「あー、悪い悪い、ちょいとタイムだぁ」

「……は、タイム?」

戸惑う上条をよそに男がゆっくりと後ずさりし、次いで白衣のポケットをまさぐり始めた。

にわかに上条の顔に緊張が走った。
けれども、予想に反して取り出されたのは拳銃などではなかった。

白いカプセルケースだ。
見せつけるように開かれたケースの中には、どぎついピンク色のカプセルがびっしりと嵌っていた。
病院で、美琴が忠告してくれたことが上条の頭を過ぎった。
動物園での接触時、相手が何か呑み込むような素振りを見せたという話を。

少なくともこの状況で、戦闘に無関係な代物を出すとは思えない。
飛びかかるべきか、否か。
考えあぐねている上条の目の前で、男がカプセルの一つを抓む。
そしてそれを、上条にもよく見えるように差し出した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
469Res/332.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice