過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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213:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/04(水) 01:13:44.81 ID:V6cReWvf0
真っ直ぐ繰り出された男の右拳が上条の頬を掠め、返す上条の左フックが男の腕に弾かれた。
斜め下から顎を狙う男の掌底打を腕で払いのけ、そのまま上条が反撃に転じる。

顔に向かうジャブをフェイントに、鋭く振り切った右拳が男の腹に命中。
だが、鍛え抜かれた腹筋はびくともしない。
まるで分厚いゴムを殴ったかのような感触だ。
ならばと腕を畳んで肘打ちに移行しようとした矢先、軸足が衝撃に襲われた。

「……とッ!」

足を外から刈られ、体を崩されてよろけた上条の側頭部に、男が下に構えていた拳を思いきり振り上げた。
アッパーのような軌道を描く一撃を、上条がすんでのところでガードした。
だが、殴られた勢いを殺しきることまではできず、そのまま背中から床に倒れ込んだ。

転がり、つっかえるように仰向けになった上条の顔に、暗い影が過ぎる。
男が顔を踏み砕くよりもわずかに早く、上条が床から跳ね起きてその一撃から逃れた。

ひび割れた床を尻目に、上条がその場から全力疾走。
それを迷いなく追い駆けながら、男が微かに首を捻る仕草を見せた。
自分の動きに初見でここまで対応できる学生がいることが信じられなかった。


薬物を摂取することで男の体は反射神経や筋肉の伸縮率が増強されており
総合種目の体操選手も顔負けの身のこなしと、プロレスラーにも匹敵する膂力を兼ね備えている。
にもかかわらず、目の前の少年は男の猛攻を凌ぎ、合間合間では反撃に転じてさえいる。

一つ確かなのは、部下にいいように嬲られていた少年と今の少年は明らかに別人であるということ。
先ほどの少年の言動からも窺い知れることだが
おそらく薬物による強化とは違う方法で身体能力を底上げしているのだろう。

この場が学園都市である以上、おそらくは能力によるものだと考えるのが筋だが
少年自身の能力だとすれば、三日前に何故いいようにされていたのか説明がつかない。
つまるところ、少年の仲間か誰かがいて、そいつが能力を用いてこの少年を強化したのだろう。


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