過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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242:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/07(土) 22:31:54.69 ID:eVoQzYad0
自業自得という言葉が幾度も脳裏に去来する。
それは、学園都市に来て初めて出来た友人を騙した罪か。
それとも、その友人の死が、あろうことか自分の研究に起因していることを知らなかった罪か。

無知であることへの恐怖と怒りが、己を能力開発に駆り立てているのは自覚していた。
決定的な何かを胸に秘めて、少女は自分のたった一つの武器を鍛え続けた。
学生を実験動物としか見ていない阿呆どもに、致命的な一撃を食らわせてやるために。

それがこんな形で頓挫することになるとは、想像の外だった。
少女は知っていた。
少女が持つ能力故に知っていた。
階段を踏み外した能力者の大半が、転がり落ちた先にある学園都市の闇を。

そこは警備員や風紀委員の権限も及ばない不可侵領域だ。
学園都市の尖兵となって暗躍し、手段を選ばず敵対する者たちを妨害し、時に始末する。
そんな冗談みたいな、映画に出てくるスパイみたいな人生を歩んでいる者が
そこらのファミレスでランチを食べ、ファンシーショップで縫いぐるみと睨めっこをしている。

「近いうちに、私もそうなっちゃうのかしらぁ」

現状を省みれば、その可能性も決して低くはない。
知らずと脇が甘くなっていたのかもしれない。
自分ではうまく立ち回っているつもりであっても、ここしかないというタイミングで罠に嵌ったのだから。


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