過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[saga sage]
2013/09/11(水) 06:19:21.24 ID:bCBZW/S80
「よ、用がなかったら、会いに来ちゃダメなワケぇ?」
「あぁ、いやぁ、そんなことはねえけど」
手応えのないやり取りを重ねる度に、少女の頬が膨れていく。
前々からの約束を「仕事だ」の一言で反故にされた子供のように。
「何て言っても、用があるから来たんだケドねぇ。上条さん、今何か欲しいものとかなぁい?」
「……は? 何だ、いきなり? 欲しいモノって言われても、俺の誕生日はもう――」
何かを勘違いしているらしい上条を、少女が目線で制した。
「あなたが昏睡状態の人たちを治してくれたんでしょ? そのお礼をさせてって言ってるのよぉ」
「……えーっと、いったい、何のことカナー?」
今さらしらばっくれても無駄だ。
ネタはとっくに上がっているのだ。
探偵ドラマの推理役さながらに、視線をあさっての方へ向けている上条に指を突き付ける。
「研究所の職員に聞いて回ったのよぉ。あの日、施設内で上条さんに似た人を見かけなかったかって。そうしたら――」
「い、いやぁ、似た人は似た人じゃないですかねぇ?」
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